へんな日本美術史
作者画家なので描き手目線の評論がおもしろい。
目次からもう面白い。
「下手くそ」言うてもうてるし。
でもちゃんと読むと、画力だけの話ではなく当時の流行りやその魅力について語られています。
【松姫物語絵巻】が紹介されてるサイトを見つけました。
個人的に最後の籠の絵がすき。「哀しい恋の物語である」って事を踏まえて見てください。物哀しくなりますから。
「アゴの下を取ってから来い」とか、いったい何について書かれているんだと思ってしまう。
でもこれもその特徴的なアゴの描き方には記号的に高貴さを表す意味があって~~とちゃんと説明されています。
まず見出しでがっつり摑まれ、続く本文も楽しくてあっという間に読み終わってしまった。
かといってボリュームが少ないわけではないので充実感があります。
フルカラーの絵も37ページ分載っていました。(数えた)
印刷も割と綺麗でなかなか見ごたえありますが、見たことある絵でも解説付きで見るとまた違った感じで楽しめます。
展覧会にある解説もこれくらい面白いといいのにな。
せっかくだからと思って読んでもたいしたこと書いて無いし、いっそのこと情報だけ箇条書きにしてくれてもいいんやで。とか思ってしまう。
この本にはいろんな絵師が紹介されているのだけど、その中でも河鍋暁斎の紹介のされ方というか見出しがカッコいい
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て!!何者?と思うよね。
気になって特集雑誌を読んだら一瞬でファンになったし。
この「へんな日本美術史」帯に第12回小林秀雄賞受賞、とあって「考えるヒント」(著者 小林秀雄)が積読本になってた事を思い出した。